劇団飛行船主催の『ひろがるスカイ!プリキュアドリームステージ♪』を観にクレア鴻巣に行ってきた。
男として生まれて20年、プリキュアとは無縁の人生を送ってきた、そんな中で、自分がプリキュアの事について評論を書くなんて思ってもいなかった。今年20周年を迎えるプリキュア、そして今年20歳になる私――これも何かしらの縁なのかもしれない。今回、舞台の構成が、「第1部・休憩・第2部」となっていた為、飽きる事が無く知識の無い自分でもスムーズに観ることが出来た。
本作の物語はプリキュア達がひょんなことから“シッポアールランド”という異世界島?に飛ばされてその島で出会う戦闘民族の見習いダンテ・ライオンと共に…という物語。
今回の舞台を観ていく上で自分が想像していたプリキュアと違う点が幾つかあり、ビックリさせられた。まず、主人公の色が赤色ではなく青色というところだ。やはり戦隊ものやヒーロー系のモノなどは大体主人公が暖色系の色をしているので、寒色系の色をしているのは意外だった。そして、プリキュアの中に男の子がいたという事だ! 私はプリキュアは女の子だけのヒーローチームだと思っていたので、劇中の「さすが男の子」とキュアウィングが評されるシーンを観て、今のプリキュアには男の子が必要なのだと驚いた。
本作の黒幕 “バッタ・モンダ”――最初こいつを観た時、私は単なるクズ野郎だと思ったものだ。しかし物語が後半になるにつれ、こいつの敵の前でも思った事を言ってしまうとこや、少し圧をかけられただけでビビり散らかすなど、段々と憎めない奴へと印象が変わってきた。
そして“ダンテ・ライオン”の成長する姿もとても印象深い。登場当初はバッタ・モンダに島を好き放題され、跡片付けしかできない根性無しが、プリキュアと出会った事によって徐々に戦士としての精神を芽生えていく姿にとても感動した。
さらに面白いのはストーリーだけではなく、途中に流れる曲はとても耳なじみが良く、終演後もずっと耳に残っていたり、第二幕の最初に行われるプリキュア達による『ダンスレクチャータイム』は子供たちに体を動かす時間与え、飽きさせないようにしたりする点は、実によく考えられている演出だと感じた。
一番印象に残っているのは、スポットライトの輝きやCGスクリーンを駆使したアクション・必殺技・変身シーンである。特に変身シーンに関しては、舞台を観る前に周囲から変身シーンはヤバいと何度も言われていたので、とても楽しみにしていた。正直想像以上だった、変身の前後の違和感がまったくなく、板一枚に横切られるたった数秒の間で変身を完了させる様は、まさに巧(たくみ)の技である。また、必殺技のシーンも目新しい衝撃があり、中でも“キュアウィング”と“キュアバタフライ”の合体技「プリキュア・タイタニック・レインボーアタック」は壮大かつ大迫力なもので、男ながらに感動させられたものだ。
最後のうたとダンスのスペシャルメドレーでは、歴代のプリキュアが多数登場し、各曲と共にプリキュア達のダンスを観ることができ、思い出になる素敵なプログラムであった。終演後のハイタッチ会では、周りが子供たちそれも女の子が多かったため、物凄く恥ずかしかったが、プリキュアとナマで触れ合えるのは夢のあるもだ、と切に感じる体験となった。
今回の舞台のおかげで、新たなジャンルへと足を踏みいれる事が出来、これを機にプリキュアの本編も観たいと心から思ったものである。年末には『ひろがるスカイ!プリキュアドリームステージ♪+』というスペシャル版イベントがあるとのこと!
必見である!
